統計解析手法
統計解析の手法についてご紹介します。
inspection 回帰分析/重回帰分析
回帰分析は、説明変数から目的変数を推定する分析手法です。
重回帰分析とは、目的変数を複数の説明変数により予測・制御する手法です。
目的変数と説明変数間に数式を当てはめ、目的変数の変動が説明変数の変動により、どの程度影響されるか分析します。目的変数に対する各説明変数の影響の程度を明らかにすることを目的として用います。
重回帰分析の活用例
アカデミック
生産管理・品質管理
画像修復
財務・株価分析
ビジネス
生産管理・品質管理
価格予測・需要予測
財務・株価分析
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection ノンパラメトリック検定
ノンパラメトリック検定とは、母集団に分布の仮定を必要としない検定のことをいいます。
例えば、t
検定では、母集団に正規性を仮定しますが、ノンパラメトリックな検定ではそのような仮定を設けません。ノンパラメトリックな検定は、標本数が少ない場合にも有効です。また、名義尺度や順序尺度のデータについても処理することができます。
しかし、どんな場合でもノンパラメトリックな検定を用いたほうがよいわけではありません。パラメトリックな手法を適用できる条件がそろっている場合には、ノンパラメトリックな検定は検出力が低下するため、パラメトリックな手法を用いたほうが妥当です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 一般線型モデル
General Linear Modelともいい、目的変数が複数の説明変数の線型結合で表される式のことです。線型モデル、重回帰モデル、分散分析モデル、共分散モデルをまとめて一般線型モデルと呼びます。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 時系列分析
時系列に記録したデータを用いて、以後の予測・制御を行う分析手法です。季節ごとの成績予測などに利用されます。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection コレスポンデンス分析
名義尺度の2変数のクロス集計表上にマップを作成して各項目の関連性を検討する手法です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection クラスター分析
似ているデータを集めてクラスターを作り、データを分類する手法です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 因子分析
因子分析はデータを要約するために用いる手法であり、変数間の相関関係から潜在的ないくつかの共通因子を発見・抽出し、データ(変数群)を潜在因子に分解します。主成分分析は主成分にデータを結合しますが、因子分析はデータを因子に分解します。
また、主成分分析では誤差を認めないあるいは誤差を含んで分析するのに対し、因子分析では誤差を独自因子として分析します。
因子分析の活用例アカデミック
学習効果の測定
心理評価
アンケート分析
大規模データの要約
ビジネス
市場調査分析(アンケート)
大規模データの要約
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 主成分分析
主成分分析は、多数の変数を少数の合成変数(主成分)に縮約し、データの解釈を容易にするための手法です。主成分は、持っている情報量の順に第1主成分、第2主成分、
となり、データの持つ変数の数だけ求まりますが、一般に累積寄与率が0.8を超えるまでの主成分を用います。
主成分分析の活用例
アンケート分析
スポーツチームの分析
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection コンジョイント分析
要因とそれに対する具体的な種順を設定し、複数案へのアンケート評価から選好度を計るための分析手法です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 信頼性分析
アンケートデータ等の尺度や項目の信頼性を調べ、信頼性を高めるための分析方法です。
よく分析に用いられるものに、値が大きければ信頼性が高いとするアルファ係数があります。「信頼性がある」というのは、尺度内の項目同士に一貫性があることです。アンケートの回答者が、同じ尺度内の項目に対して同じような回答(
Yes や No )をして
いればアルファ係数は大きくなり、
回答のバラツキが大きければアルファ係数は小さくなります。もし、尺度内の項目と方向性の異なる項目があれば、その項目を削除することで、アルファ係数を大きくすることができ、信頼性を高めることができます。
信頼性分析の活用例
アンケート項目の検討
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection ロジット対数線型分析
対数線型モデルに基づいたロジット分析を指します。
ある変数を従属変数、その他変数を独立変数として分析を行うのがロジット分析です。
数線型モデルは、2変数以上のクロス表上で、ある要素が起こる確率を求める式の両辺を、対数をとることで線型モデルにするものです。
クロス表のある要素が起こる確率が、他の要素が起こる確率の何倍であるかを求めることができます。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 対数線型 モデル
対数線型モデルとは、クロス表における各セルの期待度数の対数を、各変数の主効果や交互作用効果の和、すなわち、線型結合で表すモデルです。カイ2乗検定と似ていますが、各セルに対する行の効果、列の効果、交互作用効果を具体的に分析できる点など、カイ2乗検定には無い利点があります。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection ロジスティック回帰
回帰分析の一種です。
回帰分析には線型回帰・非線型回帰・ロジスティック回帰などさまざまな種類があります。
ロジスティック回帰は、注目する結果が、比率や2値データで得られるとき、その結果を予測したり、結果にいたる要因を探索したりするのに適した手法です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection ベイズ推定
ベイズ推定とは、観測された事実を基にして、その事実の原因となる事象が起こる確率を推定する方法です。
これは、観測者がその事象が起こると考える確率(事前確率)を、その後に観測された事実によって、より客観的な確率(事後確率)に推定していく方法です。さらに新しい事実が得られたなら、求めた事後確率を事前確率と考え、新しい事実に基づいて推定を行うことで、さらに客観的な確率を求めることができます。統計学では、ベイズ推定が応用されて、ベイズ統計学の代表的な方法になっています。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 分散分析(ANOVA)
複数のグループ間に差があるかどうかを分析する手法です。
条件を変えた場合の結果・傾向の差などを分析する際に使われます。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection プロビット分析
重回帰分析において被説明変数をダミー変数に置換して、各説明変数の影響を分析する場合に用いる手法です。
被説明変数が一方になる確率が、他の説明変数の影響を受けているかを分析すること可能です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection パス解析
パス図を用いて変数間の関係を分析する手法です。
パス図は変数間の因果関係や相関関係を矢印で表した図です。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 相関分析
相関分析とは、2つの変数間の関連を明らかにする分析です。
例えば、国語と数学のテストの点数に関連があるか調べるために、散布図を作ったり、相関係数を求めたりします。一方が大きくなると、もう一方も大きくなる関係を「正の相関がある」といい、一方が大きくなるともう一方が小さくなる関係を「負の相関がある」といいます。相関関係の程度を示す相関係数は11の値をとり、絶対値が1に近いほど関係が強いといえます。
相関分析の活用例
年齢とコレステロールの相関係数が0.78
の場合、正の相関があると判断し、それらの間に関係性があることが分かります。
1日のビールの販売数と気温の相関係数が
0.78
の場合、正の相関があると判断し、それらの間に関係性があることが分かります。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 正準相関分析
正準相関分析は、2つの変数群の間の相関関係を分析する手法です。
一方の変数群の変数が1
つのとき、重回帰分析に帰着することから、正準相関分析は重回帰分析を一般化したものといえます。各変数群において、変数に重み(重み係数)をつけて足し合わせた変量(正準変量)を考え、正準変量同士の相関関係(正準相関係数)を最大にするように重み係数を求めます。
この重み係数と正準相関係数を見ることで、変数群同士、変数同士の相関関係を分析することができます。
正準相関分析の活用例
製品の評価
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 欠損値分析
欠損のあるデータを分析しようとすると、データ数の減少などから分析の精度が落ちる場合があります。
そこで、欠損データに対して、他の変数を利用して欠損部分の予測、置き換えを行うものが欠損値分析です。欠損データの予測には、観測されたデータから重回帰式を求めて予測する方法や、最尤推定値を求めるアルゴリズムを用います。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 共分散構造分析
共分散構造分析は、観測変数から直接観測できない潜在変数を導出し、潜在変数と観測変数との間の因果関係を理解するための統計的アプローチです。潜在変数と観測変数の因果関係を分析できる点から、回帰分析と因子分析を組み合わせた分析手法と考えることができます。各種の社会現象・自然現象などの因果関係を調べるために用いられます。
共分散構造分析の活用例
アレルギー疾患調査などの医薬統計
ブランドイメージの計量化
消費者行動における潜在意識調査
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 生存分析
生存分析とは、対象とする2
つのイベント(観察開始時点と発病・死亡など)の間の経過時間に基づくデータの評価に用いる手法です。例えば、ある治療の効果を分析したいときに、病気の治療を行った患者において、病気が再発する(イベント)までの時間を解析するという方法のことです。イベントが再発であっても治癒であっても、単に率を調べるのではなく、時間の経過の中でどのくらいの割合の患者に起こるのかが問題となります。そのため、イベントの累積発生率をプロットした生存曲線を使って分析を行います。
生存分析の活用例
薬剤の効果の評価
クレジットカード会員が
1年後に解約する確率を、性別や年齢、年収などの属性データや利用履歴から予測できます。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 信頼性分析
データの項目や尺度の信頼性を高めるための分析手法です。
信頼性が高いということは、同じ尺度内の項目同士に一貫性がある状態をいいます。
- 使用されるSPSSソフトウェア
inspection 多次元 尺度法
多次元尺度法は、対象間の類似性データが与えられたときに、多次元空間上に類似したものを近く、そうでないものを遠くに配置する方法で、データを視覚的に考察するための手法です。
データが間隔尺度・比率尺度の場合は計量的多次元尺度法、名義尺度・順序尺度の場合は非計量的多次元尺度法が用いられます。
多次元尺度法の活用例
ブランドポジショニングマップ
- 使用されるSPSSソフトウェア